~よくわかる大腸がんの基礎知識~

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黒にんにくがnk細胞を活性化?がん予防・抑制効果はあるか

にんにくには、非常に豊富な栄養素が含まれています。特に、あの独特の臭気の元となるアリシンは、ビタミンBと結び付いて高い疲労回復効果を発揮することで知られます。一方、その普通のにんにくを特殊な環境下で熟成させたものが黒にんにく。黒にんにくになると、かの臭気は消えますが、その代わりに様々な成分の増加が見られます。特にS-アリルシステインの急増は、nk細胞を活性化させてがん予防・抑制効果をもたらすとの報告も。

黒にんにくとは

黒にんにくとは、通常のにんにくを高温・多湿の環境で一定期間眠らせた後のもの。熟成されて黒色に変化することから、一般に黒にんにくと呼ばれています。その発祥の地は定かではありませんが、一説には三重県ではないか、という噂もあります。

普通のにんにくが黒くなっていく過程において、発酵の原因となる微生物は関与していません。よって、時に「発酵黒にんにく」と呼ばれることもありますが、正確には誤った表現と言えるでしょう。にんにくが黒くなる理由は、糖質とアミノ化合物による化学反応。この反応のことを、メイラード反応と言います。 メイラード反応を起こして黒くなったにんにくは、姿だけではなく、中身の成分も変化。特に、アミノ酸、ポリフェノール、S-アリルシステインなどの成分が大きく増加します。

黒にんにくに含有される代表的な成分

黒にんにくに含まれる成分の種類は、普通の白いにんにくと比べ、特に変わる訳ではありません。ただし、一部の成分の含有量が増える、といった大きな変化が見られます。以下、黒にんにくになった時に際だって増量する成分をご紹介します。

マウスのがん細胞・腫瘍が改善

元・弘前大学医学部教授で、黒にんにくの研究に深く関与してきた佐々木元氏によると、普通のにんにくに比べて黒にんにくには、高い免疫向上作用があるとのこと。ひいては、その高い免疫向上作用によって、がん細胞の増殖を抑える働きすら示唆されたとの発表を行ないました。佐々木氏の研究の概要は、以下の通りです。

  1. マウスの大腸がんが縮小

    AとB、2匹のマウスを、人工的に大腸がんに罹患させました。その後、Aのマウスに黒にんにくエキスを注射で投与、Bのマウスには何もせず。結果、4週間後には、Aのマウスの大腸がんが大幅に縮小。逆にBのマウスの大腸がんは、大幅に増大しました。

  2. マウスの半数から腫瘍が消滅

    腫瘍を持つ10匹のマウスに、黒にんにくを投与しました。その後、経過観察をしていく中で、5匹のマウスから腫瘍が消滅。残り5匹のマウスについても、腫瘍が縮小しました。これらの変化の根拠として、佐々木氏は、黒にんにくに含まれるS-アリルシステインがnk細胞の働きを活性化させている可能性が高い、と推測しています。

これらの変化の根拠として、佐々木氏は、黒にんにくに含まれるS-アリルシステインがnk細胞の働きを活性化させている可能性が高い、と推測しています。

[※1]

黒にんにくのお勧めの食べ方

黒にんにくは、そのまま食べてもドライフルーツのようで美味。また、様々な料理に活用しても、とても美味しくいただけます。 よく知られている食べ方としては、「ヨーグルトにトッピング」「サラダにトッピング」「パンに乗せる」「野菜炒めに混ぜる」「チャーハンに混ぜる」などなど。凍らせてアイスにして食べる人もいるようです。

参考文献

[※1] 直原寛『熟成ニンニク抽出液による大腸腫瘍の抑制効果に関する研究』(2015年)