~よくわかる大腸がんの基礎知識~

大腸がんのステージと治療を知る
大腸がんのステージと治療を知る » 大腸がんの手術後の生活の質(QOL)を高めるために知っておくべきこと » 大腸がんの術後補助療法

大腸がんの術後補助療法

大腸がんの手術でがん細胞を摘出したら、術後補助療法を受けなければならないことがあります。その目的や治療法、副作用などを記載しているので見てみてくださいね。

術後補助療法とは

大腸がんの手術を行ったあとに、再発や転移しないために術後に行う治療を術後補助療法と言います。患者さんの術後の状態やがんの深さなどによって治療法が決められ、日本では抗がん剤治療や放射線治療が用いられることがほとんどです。主に再発の可能性が高いと言われているステージ3の方を対象として行っています。

術後補助療法の目的と治療期間

がん細胞を摘出しても、目に見えないような小さながんが体内に残っている場合があります。そのがん細胞が、人間の目に見えるまでの大きさにまで成長し再発してしまう可能性も考えられるのです。再発を防ぐことを目的として術後補助療法が用いられています。通常は術後6ヶ月間の治療が必要です。

術後補助療法の種類と特徴

化学療法

術後補助療法の種類の1つに化学療法である抗がん剤治療が挙げられます。日本で用いられている術後補助療法の中で特に多い治療法です。主にステージ3の方が対象ですが、再発の可能性が高い場合はステージ2の方も受けることがあります。副作用が強く現れるのが特徴です。

放射線治療

術後補助療法として用いられる放射線治療は、主に直腸がんの手術後が対象です。骨盤内のがん再発を予防することや、がんの進行を遅らせることなどを目的としています。近代では昔よりも高精度な照射ができるようになっているようです。

化学放射線治療

化学療法と放射線治療を組み合わせた治療が化学放射治療です。欧米でよく用いられている治療法で、日本では大腸がんの手術後に化学放射線治療を用いることは少ないと言われています。

術後補助療法の化学療法で起こる副作用

自分でわかる副作用

吐き気・嘔吐

起こりやすい期間:投与開始から数時間後または翌日以降

吐き気止めを飲めば、ある程度の症状は予防できます。また、自分でできる吐き気や嘔吐の予防法として、抗がん剤治療の数時間前後は食事をしない、あるいは食事の量を減らという方法も。消化の良いものを口にすることも予防に繋がります。個人差もありますが、3~4日で症状が軽くなることがほとんどです。

食欲低下

食欲が低下している場合は、気分が良いときに食口に入れられるものを食べることが大切です。栄養を摂ることはもちろん重要ですが、「義務感」になると苦痛になってしまうことも。食べやすいかつ栄養の摂りやすいものから選んで摂るといいですよ。

便秘

起こりやすい期間:投与開始から数日後または数ヵ月後

便が硬い、何日も排便がないといった場合は自分でできる予防として食物繊維の多い食べ物を食べると良いでしょう。体を動かしたり、入浴でお腹を温めたりすることで便秘の予防になる場合も。また、起きてすぐに水分を摂ることも便秘改善の効果を期待できます。

下痢

起こりやすい期間:投与開始すぐ、または数日後

抗がん剤治療後は下痢や軟便になる症状が見られることがあります。下痢は多くの水分を排出するため脱水症状になる可能性もあるので注意しましょう。予防法として、定期的に水分補給をすることが大切です。また、お腹が冷えないようにお腹を温めたり、温かい食べ物を食べるように心がけると良いでしょう。

口内炎

起こりやすい期間:投与開始から数日~10日後頃

口内炎がひどくなってしまうと、食事や会話に影響することもあります。自分の口内環境を把握し、虫歯がある方は抗がん剤治療を受ける前に治療しましょう。口の中を乾燥させないために、定期的に水分をとったり、うがいしたりすることも口内炎予防に繋がります。バランスの良い食事をとることも大切です。

脱毛

起こりやすい期間:治療開始から2~3週間後

脱毛の予防法として、自分でできることは頭皮を清潔にしたり、負担をかけないようにしたりすることがあります。洗い方やシャンプー、ブラッシングの仕方などに配慮しましょう。外出時は紫外線の刺激から頭皮をまもるために帽子を被ったりバンダナを巻いたりするといいですよ。

神経障害

神経障害として手足や口周りのしびれが現れることがあります。また、食事の際に食べ物を飲み込みにくくなってしまうことも。冷たい飲み物を避けたり、外出する際は防寒したりして体を冷やさないことが大切です。手足の感覚が鈍くなっているため火傷やケガには注意しましょう。

倦怠感

起こりやすい期間:投与開始すぐから始まり、2回目、3回目と徐々に蓄積される

体が重い、疲れやすいといった症状が出た場合は、その状況を自分で把握し、いつこのような状態になるのかチェックしてみるといいでしょう。また、できるだけエネルギーを消費しないために1日のスケジュールをたてることも良いですよ。

検査でわかる副作用

肝機能障害

肝機能障害が見られた場合は、アルコールを摂ることは控えましょう。また、栄養バランスの良い食事を摂り、十分な睡眠をとることが大切です。体力を消耗させる運動をしたり無理して動き回ることは控えてくださいね。

骨髄機能の抑制(白血球減少・血小板減少)

白血球減少の場合、感染症予防が重要になってきます。こまめに手洗いをしたり、食事前後にうがいをしたりと、清潔さを心がけるとよいでしょう。

血小板減少の場合は、出血しないように気を付けることが大切です。カミソリで髭や毛を剃るときに皮膚を傷つけないようにする。歯ブラシ時は歯ぐきから出血させないようにするなど、日常生活の中で注意しなければなりません。

骨髄機能の抑制(貧血)

貧血によってめまいがしたりすぐに息切れしたりといった症状が見られる場合は、動作をゆっくりするといいでしょう。疲れやすい場合は、無理に体を動かさないことが大切です。

副作用がどうしてもツライとき

予防したり、対処したりしてもなかなか改善されずに副作用がつらいときは、医師に相談しましょう。ここでは副作用を和らげる研究結果が出ている成分について紹介しているので、1度目を通してみてくださいね。

副作用を和らげる研究結果が出ている成分を活用してみる

術後補助療法の体験談

幸い軽い副作用のみ

大腸がんの手術後に抗がん剤治療を行いました。軽い吐き気と手足のしびれは出ましたが、ほとんど副作用がなく、医師からも「運がいい」と言われました。普段から運動をしたり、健康補助食品を飲んでいたのがよかったのでしょうか。(60代・男性)

辛すぎて1クールで挫折

抗がん剤投与初期から絶え間なく襲ってくる吐き気、倦怠感。妊娠中のつわりもかなり強い方で、悪阻で入院までしましたが、それと比べ物になりませんでした。いつも足元がおぼつかないような、ぐるぐるしている世界。しまいには鬱っぽくなってしまって、主人と相談して抗がん剤治療を1クールでやめました。その代わり運動や代替医療など、できることをしています。(60代・女性)

仕事復帰を見送りました

手術自体は腹腔鏡手術だったこともあり、予後もよかったので退院して2週間後には仕事復帰する予定でした。しかし、退院とほぼ同時期に始めた術後補助療法の副作用がひどく、これでは仕事にならないと、会社にかけあって復帰を遅らせてもらいました。その後、なんとか吐きどめの薬などが効いて、当初より1ヶ月遅れで復帰。同じ部署の人には迷惑をかけてしまいました…。(40代・男性)

中には「それほどつらくなかった」という意見もありましたが、ごく少数。ひどくなると「死んでしまいたいほどだった」というような重い症状に悩まされた人も多かったようです。副作用が強くなると、外出もままならなくなり、いつまでも元の生活に戻れないという悪循環になってしまいます。

医師と相談しながら、自分に合う薬を探したり、一旦治療の中断も検討するなど、いろんな選択肢を持ってみてください。

当サイトでは、治療を続けながら生活の質を上げるためになにをするのがいいのか、食事や運動、栄養素や公共機関…様々な側面から調べていますので、参考にしてください。

大腸がんとの共生を考える

大腸がんの代替医療

QOL(生活の質)を上げるために