~よくわかる大腸がんの基礎知識~

大腸がんのステージと治療を知る
大腸がんのステージと治療を知る » 大腸がんの手術後の生活の質(QOL)を高めるために知っておくべきこと » 大腸がんの術後に飲酒は可能?

大腸がんの術後に飲酒は可能?

大腸がんの術後に飲酒をしても良いのでしょうか。お酒にはアルコールが含まれており、あまり体に良くない物質が含まれているため良い印象はありませんよね。実際のところどうなのか見て行きましょう。

参照元:藤田 伸、島田安博(2011)『国立がん研究センターのがんの本 大腸がん』小学館クリエイティブ.
参照元:福長洋介(2016)『よくわかる最新医学 大腸がん』主婦の友社.
参照元:高橋慶一(2010)『大腸がん 手術後の生活読本』主婦と生活社.

大腸がんの手術後、飲酒はできる?

国立がん研究センター研究開発費などによって実施されている「がんの予防研究プロジェクト」の、「飲酒と大腸がんリスク」に関する報告によれば、日本人にとって、大腸がんのリスクが飲酒によって“おそらく確実に高まる”ということが示唆されました。 具体的には、男性の大腸がん患者の4分の1が「1日当たり23g以上のアルコール摂取」を習慣としており、また女性でも、飲酒習慣が全くない人と比べると「23g/日以上」のアルコール摂取者の大腸がんリスクは約1.6倍でした。 ですので、「23g/日」というアルコール量を超えないよう、飲酒を嗜むのがいいでしょう。

[※2]

大腸がん発症リスクを考えながら、飲酒を楽しむには?

「23g/日」というアルコール量は、例えば「ビール大瓶1本」や「日本酒1合」などに相当します。 飲酒は、適量であれば精神的なリラックス効果をもたらすだけでなく、心臓病のリスクを下げるとも言われています。 大腸がんの術後は、絶対にアルコールを禁止しなければならない理由はないとされています。しかし、飲酒習慣は高カロリー食品の食べ過ぎを助長したり、また過度な飲酒は多くの生活習慣病の原因になったりするとも言われています。大腸がんの術後に、再び晩酌や飲酒習慣を楽しみたい人は、まずは担当医へ相談してみることが賢明です。特に、大腸がん家系の人やアルコールに弱い体質の人は、医師へ相談することが肝要です。

アルコール「23g/1日」の目安
種類 換算量
ビール 大瓶1本(633ml)
日本酒 1合(180ml)
焼酎 1合(180ml)
ワイン グラス2杯(200ml)
ウイスキー ダブル1杯(60ml)

[※2]

飲酒と大腸がんには関係があるのか?

世界的に見た場合、飲酒と発がんの因果関係についてはっきりとしたことは判明していないとされています。 とは言え、世界的に収集されたデータを参考にする際は、まず日本人の人種的・遺伝的な体質を考慮する必要があります。
飲酒によって体内に入ったアルコールは、体の中で酵素によって分解されます。言い換えれば、この酵素の有無や働きの強さが、お酒に対する「強さ」の目安の1つです。 一般的に日本人は、このアルコール分解酵素を持っている人の割合が欧米人に比べて少ないとされています。つまり、日本人は欧米人よりもお酒に弱い人種であると言えるでしょう。だとすれば、日本人に対する飲酒リスクが、欧米人と比べて大きいと予想されることは自然です。

[※1]

まとめ

飲酒する際、適量にとどめなければ下痢や便秘を引き起こす可能性が高くなります。特に、術後は胃腸の調子が不安定の状態ですので、脂っこいものや動物性脂肪を好む人は注意しましょう。

参考文献

[※1] 国立がん研究センター 社会と健康研究センター 予防研究グループ『飲酒と大腸がんリスク-日本の疫学研究に基づく関連性の評価』

[※2] 国立がん研究センター 社会と健康研究センター 予防研究グループ『飲酒と大腸がんリスク-日本のコホート研究のプール解析』