~よくわかる大腸がんの基礎知識~

大腸がんのステージと治療を知る
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大腸がん術後の仕事復帰

ここでは大腸がんの術後の仕事復帰についてまとめています。退院してから仕事復帰するまでの期間や復帰の際に気をつけること、体験談などを記載しているので参考にしてください。

参照元:藤田 伸、島田安博(2011)『国立がん研究センターのがんの本 大腸がん』小学館クリエイティブ.
参照元:福長洋介(2016)『よくわかる最新医学 大腸がん』主婦の友社.
参照元:高橋慶一(2010)『大腸がん 手術後の生活読本』主婦と生活社.

大腸がん術後、どれくらいで仕事復帰できるのか

どれくらいで仕事復帰できるのか、に関しては個人差があります。体力や年齢、仕事内容、治療内容、がんの進行具合によっても異なってきます。他の臓器にも拡がっているような進行度が重い大腸がんの場合は退院後約2週間が目安になるでしょう。

退院から仕事復帰までの例

大腸がん治療のために入院していた方が退院してから復帰するまでのプロセスをまとめました。

退院(手術から数週間~1ヶ月程度)

自宅療養(退院してから数日~数週間)

※体力が低下する度合い・手術内容によっては数ヶ月かかることも

職場復帰の準備

復帰の際に気をつけること

軽作業から始める

仕事復帰したばかりの頃に、いきなり通常の仕事をするのは控えましょう。職場の人の理解を得て軽作業から始めてください。残業や業後の飲食の付き合いができないことなどをも伝え、配慮してもらうといいですよ。

周囲の理解を得て、無理をしない

職場復帰する際は、周囲の理解を得て無理しないように気をつけましょう。職場の人に事情を説明しておくといいですよ。主婦の場合、家事を全て1人でやるとなると無理をしてしまい、さらに体調を壊してしまうことも。家族の協力や理解が必ず必要になります。体調が悪い場合や、疲れているときは家族に伝えて、十分に休息をとってくださいね。一緒に定期健診へ行き、主治医から家族へ協力するように説明してもうらうこともできるので相談してみましょう。

匂いが気になるときは…

大腸がんのあとは、おならが出やすくなったり、便の回数が増えたりと、何かと腸のコントロールが効きにくくなります。消臭剤を用意しておいたり、心配であれば席の配慮(トイレに近い席にしてもらう、周囲にあまり人がいない席にしてもらう)をお願いしたり、事前にそういった状況にあると上司を通して周囲に告知をお願いしたりと、事前に準備をしておきましょう。

トイレの場所を事前に確認しておく

職場への復帰が決まったら、通勤時の「万が一」を対策しましょう。通勤途中の駅構内のトイレを把握しておけば、もしもの場合でも焦ることなく対応できます。 最近では、ストーマ用の流し台が設置されたオストメイト対応のトイレが増えてきております。

オストメイト対応のトイレには、下記画像のような目印が示されています。 ストーマの中の便を容易に捨てられる上、温水シャワーもついています。また、新しいストーマに取り替えるときに、物を置ける折りたたみ式の台が用意されているので安心です。

最近では、スマホで公共施設のトイレのある場所を調べられるようになりました。オストメイトマークのついたトイレはもちろん、バリアフリートイレも調べられます。

術後の生活に慣れてくると、食事のあとにどれくらい後に便意が来るのか、予想できるようになるでしょう。しかし、通勤ラッシュ、帰宅ラッシュ時は人混みに押されて身体を刺激しやすく、急な便意が来ることもあります。ですので、トイレの場所を把握するほかに、時差通勤することも重要です。

人工肛門の人の職場復帰

人工肛門をしている場合は、ある程度家で装具に慣れてから復帰するのが好ましいです。ストーマ装具や交換する際に必要な物を職場に揃えておくといいですよ。人工肛門については、別途詳細ページを設けていますので、そちらも読んでみてください。

人工肛門(ストーマ)について知る

経験者の職場復帰の体験談

外回りを内勤に変更

大腸がん(ステージ3b)になる前は営業だったのですが、トイレ問題や体力の低下を考え、内勤に変更してもらいました。最初のうちは今までやっていた仕事に未練があり、給料も下がったので悔しい気持ちがありましたが、それでも体力的に厳しいときもあったので、その判断は間違っていなかったと思います。今ではバリバリ残業もしています(笑)。(40代・男性)

上司の計らいで配置変更

スーパーのレジ打ちパートをやっていましたが、レジだとトイレに行き来しにくいということで、品出しの部門に変更をしていただきました。やるべきことはありますが、ある程度自分のペースで仕事もできるので、ありがたいです。ただ、スーパーは冷房がキツいので、それが辛く、夏でもヒートテックと腹巻きは必須でした。(60代・女性)

変わらずそのままの部署で仕事を継続

もともと内勤だったので、部署は変わらず、最初は時短で仕事復帰しました。2年たった今でこそ、少し残業をすることはありますが、昔のように無理はしなくなりました。何より飲み会への参加が減ったので、お金と体力に余裕ができた気がします。(50代・男性)

抗がん剤治療を続けながら復帰

腹腔鏡手術だったので、術後1ヶ月で職場に復帰しました。術後1年に及ぶ抗がん剤治療も働きながら続けました。薬のタンクをぶら下げて、就寝中も仕事しているときもつけっぱなしで注入し続け…もちろん倦怠感などの副作用はありましたが、収入の問題だけではなく、気持ちの面でも、働いて社会の役に立っていると実感できるほうが前向きになれてよかったです。(30代・男性)

ある程度職場の理解があってこそ、というところもありますが、自分の体力と相談して、できる範囲で働いている人が多いようです。無理をして再発しては元も子もありませんので、無理をしないように気をつけてください。

仕事復帰のときに何をしましたか?

体力づくりや食生活での注意点…仕事を続けけるために気をつけたことや、特別にやったことを経験者に聞いてみました。人それぞれ向き不向きや、体に合う合わないなどがあると思いますが、とりあえず試してみることも必要かもしれません。

無理しない程度に運動を

体重や体力が低下し、少しの階段でも息切れしたり、集中力が続かなかったりと、大腸がんになる前に比べて、格段に体力が落ちてしまいました。このままではいけないと、まずは通勤時に1駅歩くようにして、調子がいいときや慣れてきたら帰りも1駅歩いたり、それを2駅に増やすなどして、少しずつ歩く距離を増やしていきました。休みは家でゴロゴロしていたのを、近所を散歩するようにしました。トイレの心配がなくなってからは、野球観戦に行くなど、なるべく外の空気を吸うようにしていました。今では、手術前よりも健康になったかも、と思うくらいです。(40代・男性)

サプリを服用

働きながらの抗がん剤投与もあり、手術前後よりも、仕事に復帰した頃の方が体調がキツかったです。もともと運動習慣もないので体力もなく、何度も仕事を諦めようかと重ました。ダメ元で免疫にいいというサプリを飲み始めたところ、体質にあっていたのか、気の持ちようなのか(笑)、徐々に変化が出てきました。まず寝起きがとにかくダルかったのが、良くなって、次に日中のダルさや倦怠感がマシになり、そのおかげか食欲も増加し、結果体力も手術前に戻ってきた…という感じです。(50代・女性)

定期的な鍼治療に通っています

仕事復帰した当時は毎日が辛かったです。妻に勧められて鍼治療に通ってみたところ、少しずつ体が楽になってきました。職場復帰して半年は週に1回、3年経過した今でも、月に1回通っています。体温が少し上がったようで、風邪もあまりひかず、調子がいいですね。(50代・男性)

術後の運動について

大腸がんの代替医療について

大腸がん術後の仕事復帰Q&A

抗がん剤の副作用が仕事に差し障りないか心配

治療を受ける前に、主治医にどんな副作用が予想されるのか、聞くのがいいでしょう。 化学療法を初めて受ける際は、どれくらいの副作用が出るのか予想できず不安になりますよね。 外来化学療法を受ける場合は、仕事に影響するかしないのかが気になるのは当たり前です。 同じ化学療法だとしても、仕事内容や個人によって副作用の出方にも差があります。 1度、化学療法を受けたら、副作用の程度を掴めるはずなのでお願いしたいことを上司に相談してみるといいでしょう。

職場の人たちに治療の副作用を説明して理解してもらえるか不安

難しい医学用語を使わず自分の言葉で話すのが1番です。家族や自分の場合だと、難しい言葉であってもすぐに調べられるので問題ありませんが、職場の人には通用しません。伝わる内容に整理して、伝えていく必要がございます。ボイスレコーダーで医師からの副作用についてのお話を録音して、内容をかみ砕いて説明するといいでしょう。

副作用で通勤するのが難しい

投薬や療法で症状を和らげることに集中してください。 副作用による体調の変化で通勤に苦労する人は多いです。 どうしても通勤の際に支障がある場合は、主治医に伝えて 症状を抑えられないかどうか相談するのがいいでしょう。