~よくわかる大腸がんの基礎知識~

大腸がんのステージと治療を知る
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再発・転移を発見するには

がんは手術をしても、再発や転移のリスクがつきものです。ここでは、大腸がんの再発・転移を発見するための検査方法を紹介します。

参照元:藤田 伸、島田安博(2011)『国立がん研究センターのがんの本 大腸がん』小学館クリエイティブ.
参照元:福長洋介(2016)『よくわかる最新医学 大腸がん』主婦の友社.
参照元:高橋慶一(2010)『大腸がん 手術後の生活読本』主婦と生活社.
参照元:国立がん研究センター がん情報サービス 大腸がん「転移・再発」

早期発見のために必須なのは定期健診

大腸がんの再発・転移を早期発見するためには、切除手術を受けた後に定期検診を受けることが重要です。術後3~5年以内に再発するケースが最も多いため、この期間に検診を定期的に受けましょう。症状が出ないうちに見つかれば、適切な治療が受けられ治る可能性も高まります。

術後の検診は5年が原則

再発を防ぐために、術後5年間は定期検診を行うのが原則とされています。大腸がんの場合、術後5年以内に定期検診でがんが見つからなければ完治と判断されるためです。ほかにも、定期検診の目安を以下にまとめました。

退院後

10~2週間後 術後の回復状態をチェック
約1ヵ月後 追加治療の有無チェック
約3ヵ月後 問題なければ治療終了
約3~4ヵ月サイクルの検診※5年間実施 定期検診を行い、回復状況と再発のチェック※5年間何もなければほぼ完治
約半年~1年サイクルの検診※さらに5年間実施 完治と診断されても、定期検診を行うのが望ましい
約10年後 術後10年経っても、年に1回は健康診断を受けるのが望ましい

10年通院を続けるのは面倒だと思うかもしれませんが、再発に備えて定期検診を行いましょう。再発や転移のリスクを下げるために、予防法を取り入れるのもひとつの手です。

再発・転移を予防するには

大腸がんの経過観察に必要な検査と時期

定期検診では、具体的にどのような検査をしているのかまとめました。

それぞれの検査内容を詳しく見ていきましょう。

問診・直腸指診などの触診

外来と同じように、医師の問診や触診を受けます。術後や前回の検診から受診日までの身体の調子・気になる変化・困っていることがないか医師がチェックするので、何かあればここで相談しましょう。

直腸指診は、医師が直腸に指を入れて直腸壁に触れて異常をチェックするもので、必ず行われる検査です。

腫瘍マーカーの測定

がん細胞ができると、異常な増え方をする特定のたんぱく質や酵素の数値。健康時にはほぼ数値として現れないため、腫瘍を見つける目印になるため「腫瘍マーカー」と呼ばれています。採血をして腫瘍マーカーの血中濃度の数値が異常に上昇していないか測定し、再発の可能性をチェックするのです。

胸部X線検査または胸部CT

胸部の検査を行うのは、肺に転移していないかチェックするためです。X線検査はレントゲン検査とも呼ばれ、肺を画像化して異常を示す影がないか確認します。受診サイクルは、術後1~3年は3ヵ月から半年に1回、4~5年は半年に1回が目安です。今ではX線検査よりも診断が発達している胸部CT検査が一般的になっています。

腹部超音波検査または腹部CT

がんが肝臓に転移していないかチェックする検査です。超音波を発する機材を腹部に当て、臓器の様子を画像で確認できるもの。肝臓の状態がよく分かるため、がんが悪性か良性かの見分けがつきます。

CT検査は、直腸がんの場合に検査するものです。全身の断面を調べることができ、初期のがんを見つけられます。ただ、小さすぎると炎症とがんの判断が難しいケースも。胸部CTと同じように、3ヵ月~半年に1回は状態を確認しましょう。

骨盤CTまたはMRI

直腸がんの場合、骨盤CTやMRIで半年に1回検査を行います。再発や肝臓・リンパ節・肺などに転移していないかチェックするもの。CT検査よりも精度が高く、小さな病巣を写し出してがんかどうか判断するのも可能です。MRIは磁気を使って検査を行うため、ペースメーカーを利用している方や磁気に影響を及ぼすものを身につけている方は利用できません。

大腸内視鏡検査または注腸造影検査

内視鏡を肛門に挿入して、腸内がんの有無を調べるのが「大腸内視鏡検査」です。術後1年以内に1回検査を行います。内視鏡の先端に特殊器具がついており、それで腸管の粘膜組織を取り出して再発していないかチェック。ほかにも大腸以外の部位でポリープができていないか調べ、見つかれば翌年も同じ検査を行います