~よくわかる大腸がんの基礎知識~

大腸がんのステージと治療を知る
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化学療法(抗がん剤)の種類

ここでは、抗がん剤を用いる理由や抗がん剤の種類について紹介します。

参照元:大腸癌研究会 もっと知ってほしい大腸がんのこと[pdf]

抗がん剤を用いる理由とは

切除が困難で治療が難しいため

手術で腫瘍を全て切除することができない場合、抗がん剤でがんの進行スピードを抑制。大腸だけではなく他の臓器へがんが転移していて、腫瘍を切除することが難しいような場合は、延命を目的に抗がん剤を使用することができます。15年ほどは前まで抗がん剤を服用しても6ヵ月しか延命することができないと言われていましたが、現在では2~3年と延命できる期間が伸びているようです。

ただし、抗がん剤には適応条件があります。それは下記にある5段階のPS(パフォーマンスステータス)うち0~2の評価が必要です。また、臓器機能が正常であることも抗がん剤を投与するためには欠かせません。

PSによる全身状態の評価
0 がんの発病前と同じ日常生活を問題なく送れる
1 激しい活動を制限されるが、問題なく歩行でき、家事や事務作業が可能
2 歩行や身の回りのことについてできるが、軽労働はできない
3 身の回りのことをある程度までしかできず、日中の半分をベッドかイスで過ごす
4 身の回りのことについて何もできず、介助が必要な状態

術後の再発を防ぐため

がんを切除した後でも目に見えない小さながん細胞が体内に残っている可能性があるので、抗がん剤を投与することで再発を防ぐことができます。特に再発の可能性が高いステージ3以上の方は、術後補助化学療法を受けるケースが多いようです。

術後の抗がん剤治療について詳しく知る

化学療法で使われる主な抗がん剤

フルオロウラシル剤

抗腫瘍効果を持つ、大腸がんの標準3剤として用いられている抗がん剤です。がん細胞の増殖を抑制することが可能。副作用として、下痢や出血性腸炎など消化器障害・めまいやけん怠感などの精神神経症状・脱毛や色素沈着などの皮膚症状が見られます。

ホリナートカルシウム/レボリナートカルシウム剤

抗がん剤の副作用を抑える働きを持っています。がん細胞の増殖を抑制することができるメトトレキサートという抗がん剤には、正常な細胞にも影響してしまう副作用があり、ホリナートカルシウム/レボリナートカルシウム剤によってがん以外の細胞を守ることが可能。ただし組み合わせの悪い抗がん剤があるので、服用する時には注意しましょう。

イリノテカン

DNAに作用する酵素であるトポイソメラーゼの働きを抑制して、がんが広がるのを防ぐ効果を期待できます。大腸がんの標準3剤とされている抗がん剤です。副作用として薬を投与した直後や日を空けて下痢を起こすケースがあります。敗血症のような感染症の可能性も少なくありません。

オキサリプラチン剤

イリノテカンやフルオロウラシル剤と同じで大腸がんの標準3剤の1つです。DNAの合成を阻害する働きがあり、がん細胞の増加を防ぎます。副作用に下痢や吐き気、手足のしびれなどあり、肝機能障害を引き起こすことも。まれに視力が低下するケースもあります。

ベバシブマズブ剤

2007年に世界で初めて承認された、血管を新しく作る働きを阻害する抗がん剤です。がんは増殖する時に新しい血管を作って栄養をもらっているのですが、このベバシズマブ剤で血管の生成を抑制するため、増殖スピードを抑えることが可能。ただし出血や血栓症などの副作用があるので、注意が必要です。

セツキシマブ剤

がん細胞が増殖する時に必要なタンパク質に攻撃して、がんの進行を抑制するセツキシマブ剤。切除が難しいがんや再発した大腸がんに効果的です。副作用として発疹がありますが、他の抗がん剤と比べると軽い症状です。

カペシタビン

投与すると腫瘍組織に吸収されて、フルオロウラシルに変化します。フルオロウラシルが腫瘍内で抗腫瘍効果を発揮するため、高い治療効果が期待できる抗がん剤です。副作用として吐き気・下痢などの消化器障害や、まれに心筋梗塞・不整脈などの症状が現れます。

イリノテカン塩酸塩水和物

がん細胞が活性化するのを抑制し、がんが広がるスピードを遅くすることができます。ただし、下痢や腸炎などの副作用を発症することも。白血球減少・血小板減少など骨髄機能が弱ってしまうため、免疫力が下がるリスクもあります。

テガフール・ウラシル配合剤

体内で徐々にフルオロウラシルへ変化するテガフールと、体内のフルオロウラシルが分解されるのを防ぐウラシルを配合したテガフール・ウラシル配合剤。フルオロウラシルの抗腫瘍効果を最大限に引き出して、がんを治療することができます。胃腸の粘膜や骨髄細胞にダメージを与える副作用があるので、投与する際には注意が必要です。

抗がん剤による副作用が不安…

抗がん剤を投与すると、下痢や吐き気、出血など副作用の不安や心配などが出てきます。その時は1人で悩みを抱えず担当の医師や看護師、薬剤師に相談しましょう。専門的な視点や深い知識をもとに的確なアドバイスをしてくれますよ。また、全国に設置しているがん相談支援センターに悩みを打ち明けてみるのも1つの手です。がんでつらい時は1人で抱えずに、周りに相談してください。

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