
局所再発の初期症状や治療法についてまとめています。初期症状が分かっていると早期発見・治療が見込めるので、ぜひおさえておきましょう。
参照元:藤田 伸、島田安博(2011)『国立がん研究センターのがんの本 大腸がん』小学館クリエイティブ.
参照元:福長洋介(2016)『よくわかる最新医学 大腸がん』主婦の友社.
参照元:高橋慶一(2010)『大腸がん 手術後の生活読本』主婦と生活社.
最初にがんが発生した場所と同じ位置、あるいは近い部分でがんが再発することを局所再発と言います。局所再発の多くは直腸がんで起こります。結腸がんは、手術でがんの周囲を広く切り取ることが比較的やりやすく、そのため、局所再発はあまり起こりません。 一方、直腸は骨盤に囲まれているため、手術でがんの周囲を十分広く切り取ることが難しいことが多く、局所にがん細胞が残って局所再発が起こりやすくなります。
直腸がんの局所再発が進行すると、肛門が痛んで血便や下血として症状が現れます。臀部や下肢にも痛みがあるのが局所再発の特徴。がん細胞に粘膜が侵された場合に考えられる症状なので、初めてがんを自覚したときの状況と似ているはずです。少しでもおかしいと感じたら、すぐに検査をしたほうが良いでしょう。
局所再発の治療には、切除手術と化学放射線が有効的とされています。どんな治療法なのか、それぞれまとめてみました。
がんの部分を全て取り除ける可能性がある切除手術。再発だと最初の手術よりも広範囲での切除になるため、ほかの臓器や血管、または神経の切除が行われることも。最初のがん発生時に肛門温存術を受けた後、肛門にがんが再発してしまった場合、肛門を取り除く直腸切断術が行われます。がんの進行具合によっては、切除手術中に放射線を照射することもあります。
結腸がんの治療に放射線治療はほとんど用いられません。ですが、直腸がんでの局所再発だと腫瘍の縮小をはかるため放射線療法が用いられることがあります。放射線療法が行なわれる場合、化学療法の一つである抗がん剤も使用されることが大多数です。抗がん剤にはがんの拡大を遅らせる効果と、症状のコントロールが期待されています。
基本中の基本ですが、手術後5年は欠かさず定期検診を受け、万が一の再発に備えましょう。早期発見、早期治療が基本です。また、普段の食生活や過ごし方でも、再発の可能性は下げていくことができます。別ページに予防法をまとめていますので、参考にしてください。