~よくわかる大腸がんの基礎知識~

大腸がんのステージと治療を知る
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大腸がんステージ0

ステージ0の大腸がんについて生存率や再発率、具体的な症状、治療法など詳しく紹介していきます。

大腸がんステージ0の5年後生存率と再発率

ステージ0に分類されるのは初期の大腸がんです。5年生存率は94%と高く、ほとんどのケースで根治が望めます。術後の再発率は、ステージ0でのデータはありませんが、ステージ1のがんでも3.7%しかありません。再発の可能性は低いと言っていいでしょう。

ただし可能性がまったくないわけではありません。ステージ1の場合、再発は術後から5年以内に起こる割合が96.1%とほとんどを占めています。5年を超えて再発することは滅多にありません。万が一再発してしまった場合すぐ発見できるよう、術後から5年間は定期検診を受けるようにしましょう。

参照元:藤田 伸、島田安博(2011)『国立がん研究センターのがんの本 大腸がん』小学館クリエイティブ.

ステージ0の大腸がんとは

大腸の壁の層は粘膜・粘膜筋板・粘膜下層・固有筋層・漿膜(しょうまく)下層・漿膜の6つに分けられます。がんがどの層まで達しているかを示す深達度と転移の状況によってステージを分類。1層目の粘膜でがんが留まっている初期の状態が、ステージ0の大腸がんです。

ステージ0の症状

ステージ0~2の早期がんは自覚症状がほとんどありません。痔やお腹の不調と勘違いされやすく、早期発見が難しい病気といえます。気になる症状がある場合は安易に自己判断せず、医師の診断を受けるようにしましょう。

ステージ0の治療法

大腸がんの初期状態であるステージ0の段階で発見できた場合、がんのある粘膜を切除する「内視鏡治療」が主に用いられます。肛門から大腸用の内視鏡を入れて内側からがんを切除するため、開腹といった大掛かりな手術の必要がありません。また、大腸の粘膜には知覚神経が通っていないので、痛みがほとんどないのも特徴です。

参照元:大腸癌研究会患者さんのための大腸癌治療ガイドライン 2014年版

ステージ0の大腸がんと向き合うために

がんと診断された場合、ほとんどの方が驚くものです。落ち込んでしまうのも無理はありません。しかし、早期発見できた大腸がんはほとんどのケースで根治が可能です。気を落とし過ぎず、治療に取り組んでくださいね。また、術後の生活や再発・転移に不安を感じる方も多いでしょう。こちらでは多くの方が不安に思う「術後の食事」「職場復帰」「再発・転移」についてまとめました。

術後の食事は何を食べたらいい?

大腸がん手術後の気になる食事について紹介するページです。おすすめの食品や避けたほうがいい食品、気を付けなくてはいけないポイント、食欲不振時にできる工夫など、大腸がんの手術を受けた方にぜひ確認してほしい情報をまとめています。

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職場復帰はいつできる?

手術後の職場復帰について詳しくまとめました。術後から復帰までの流れや注意すべき点、また大腸がんの手術を受けて職場復帰した方の体験談も紹介しているので、ぜひ参考にしてみてくださいね。

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再発・転移への備え

ステージ0の大腸がんが再発・転移することはほとんどないものの、可能性が0というわけではありません。再発や転移を予防する対策や早期発見できる方法、万が一再発・転移してしまった場合の治療法について分かりやすく解説します。

大腸がんの再発・転移に
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大腸がんステージ0を克服した人の体験談

2年程前から、排便時に少量の鮮血がまとわり付くことがあり、そのうち白い粘液?も一緒に付着するようになりました。
その1年後くらいに消化器内科を受診しましたが、その時は問診と直腸診しか行わず、痔との診察結果でした。同時期くらいに受けた市の検診では潜血陰性だったのですが、「本当に痔?」という思いが常にあり、大きな病院に行って大腸内視鏡検査をお願いしたんです。
結果、ステージ0の超早期発見で、もう少し遅かったら開腹手術になるところでした。(30代・女性)

この方は本当に珍しく自覚症状があったケースで、本当に運が良かったと言えます。ただ、運だけじゃなかったのは、きちんと自分でも検査に行ったということ。少しでも違和感・変化があったらぜひ病院に行きましょう。何もなくて「無駄な時間だったな」ではなく、安心を得たと思っていただければと思います。