~よくわかる大腸がんの基礎知識~

大腸がんのステージと治療を知る
大腸がんのステージと治療を知る » 大腸がんとは » 大腸がんになりやすい人の特徴

大腸がんになりやすい人の特徴

大腸は盲腸・結腸・直腸の3つに分けることができ、これらの部位にできるがんを総じて大腸がんと呼びます。こちらのページでは大腸がんの原因についてまとめました。

参照元:福長洋介(2016)『よくわかる最新医学 大腸がん』主婦の友社.
参照元:日本医師会 知っておきたいがん検診 大腸がんの原因
参照元:国立がん研究センター がん情報サービス 遺伝性腫瘍・家族性腫瘍

大腸がんの原因

食生活の欧米化

昔の日本は米や野菜を中心とした食事でした。しかし、近年では肉食中心の欧米文化が入ってきたことにより、食事に変化が。たんぱく質や脂肪分の多い食事へと変わったため、大腸に便が滞留する時間が長くなってしまいました。そのため、便に含まれる発がん性物質も大腸に留まる時間が長くなり、がんの発症率が高まる原因となってしまったのです。

過度の飲酒

アルコールを分解する成分・アセトアルデヒドには、活性酸素を多く発生させて、細胞の生産に必要な葉酸を破壊する作用が。正常な細胞が作られなくなると、身体の修復が上手くできずにがんが発生しやすくなります。がんの発生以外にも、過度の飲酒は身体に悪いので節度をもって飲むようにしましょう。

運動不足

運動不足だと大腸の動きが低下するとともに、消化機能も正常に働かなくなります。そのため、便が腸に留まる時間が長くなり、その分発がん性物質も一緒に留まるため、がんの発症率が高くなります。とくに体を動かすことが少ないデスクワークの人は、大腸がんにかかりやすいそうです。

肥満

脂肪が身体に多く蓄積されていると、大腸にかかる負担も大きく腸内細菌のバランスも崩れがちです。食生活の偏りから便秘になりやすく、発がん性物質も腸内に留まることに。また、インスリンを多く分泌するためインスリン細胞の生まれ変わりを促進させてしまい、がんの成長を助けてしまう場合もあります。

遺伝

がんには遺伝性のものもあります。とくに大腸がんは遺伝性が多いというデータがあるほど。遺伝性の大腸がんは予防しにくいものです。しかし、大腸がんにかかりやすいことを知っておけば定期検診を受けたり食生活に気をつけたりと早期発見と予防につなげられます。家族や身内にがんの人がいないか把握しておきましょう。

大腸がんにかかりやすい人とは?

年齢を重ねるほどかかりやすくなる

大腸がんを発症する人は、40代から増え始めて50代に突入するとさらに増える傾向にあります。発症率は男性の方が多い傾向にあり、女性も少しずつ患者数が増加傾向に。さらに、生活習慣の変化や遺伝的なものが大腸がんの発症に関わっています。

ポリープができやすい人

身体の中にはポリープと呼ばれるイボのようなものがあります。大まかに分けると、炎症性ポリープ・過形成性ポリープ・腫瘍性ポリープの3種類がありますが、すべてがん化するわけではありません。注意が必要なのは腫瘍性ポリープと言われており、放置すると大きくなりすぎてがん化する可能性が出てきます。

遺伝性の大腸がんとは?

遺伝性の大腸がんは2パターンに分けることができます。それぞれの特徴を見てみましょう。

家族性大腸ポリポーシス(家族性大腸腺腫症)

若い頃から大腸に100個以上のポリープが発見されることがあります。ほとんどが良性ですが、放置した場合はがん化することも。大腸がん以外にも胃や十二指腸のがん、甲状腺乳頭がんの発症が見られるケースもあります。定期的な診断でがんの早期発見に努めましょう。

リンチ症候群(遺伝性非ポリポーシス大腸がん)

遺伝子の病的変異が原因で、大腸がんをはじめ多くの臓器へのがん発症リスクが高まります。二世代に渡り発症しやすく、病的変異した遺伝子をもっている人の子どもは50%の確率で同じ遺伝子を引き継ぐそう。変異した遺伝子をもつ人でも10~30%はがんにかからないそうですが、若いうちからの予防や定期検診を受けてがんの早期発見につなげることが大切です。