~よくわかる大腸がんの基礎知識~

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骨・腹膜・脳への転移の症状と治療法

大腸がんを患い、骨・腹膜・脳への転移がみられた場合に現れる初期症状や治療法についてまとめました。

参照元:藤田 伸、島田安博(2011)『国立がん研究センターのがんの本 大腸がん』小学館クリエイティブ.
参照元:福長洋介(2016)『よくわかる最新医学 大腸がん』主婦の友社.
参照元:高橋慶一(2010)『大腸がん 手術後の生活読本』主婦と生活社.

骨・腹膜・脳への転移

転移する場所として珍しい骨・腹膜・脳は、治療がなかなか困難とされています。それぞれの場所によって初期症状や治療法が異なるので、どんな症状が現れてどんな治療が有効とされているのか、一つずつ見ていきましょう。

骨・腹膜・脳転移の初期症状

それぞれの転移先で現れると考えられている初期症状です。

骨への転移は痛みが起こりやすいので、比較的気付きやすいです。ジンジンと疼くような痛みが特徴的。ひどくなると骨が脆くなって骨折する恐れがあります。

腹膜

転移直後に痛みは現れませんが、進行するとお腹が張って便秘ぎみになります。放っておくと腹水貯留や腸閉塞を引き起こす可能性があるので危険です。

頭痛・めまい・しびれや嘔吐の症状が現れます。脳への転移は発見と同時に治療を行なう必要があるため、少しでも症状が現れたらCT検査を受けなければなりません。

骨・腹膜・脳転移の治療法

骨・腹膜・脳転移の治療法

転移先としては珍しい骨・腹膜・脳への治療法を紹介します。どんな治療が有効かそれぞれまとめました。

骨転移への治療法

骨への転移は痛みが伴うため、痛みを軽減する目的で放射線治療が行われます。痛みを和らげるなら、放射性ストロチウムと呼ばれる体内投与が可能な放射性物質が有効です。放射線治療のほかに、薬物治療も行われています。

腹膜転移への治療法

腹膜への転移は切除が難しいため、全身化学療法がメインの治療となります。抗がん剤を用いた治療が腹膜転移には有効です。

脳転移への治療法

脳に転移があった場合に行われる治療は、切除手術と放射線治療です。脳の切除手術は、深刻な機能低下が起こる可能性が考えられるほど難しい手術。医師が総合的に判断して手術をしない選択が取られた場合は、放射線治療が中心となります。

骨・腹膜・脳への転移を防ぐには

骨、腹膜、脳への転移はそれほど多くはありませんが、油断はできません。術後5年間は欠かさず定期検診を受けることで、万が一の早期発見に努めましょう。また、生活習慣などによって転移の確率を下げることができます。別ページに予防法をまとめていますので、参考にしてください。

骨・腹膜・脳への転移を予防するには