~よくわかる大腸がんの基礎知識~

大腸がんのステージと治療を知る
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大腸がんの検査

大腸がん診断の流れと精密検査の方法について解説します。未経験者には不安が多い大腸内視鏡検査の体験談も掲載しています。

参照元:藤田 伸、島田安博(2011)『国立がん研究センターのがんの本 大腸がん』小学館クリエイティブ.
参照元:福長洋介(2016)『よくわかる最新医学 大腸がん』主婦の友社.
参照元:国立がん研究センター がん情報サービス 大腸がん「検査・診断」

大腸がん診断の流れ

大腸がん検診(便潜血検査)

便に血が混じっていないか検査。陽性反応が出た場合は次の検査へ進みます。

精密検査

大腸内視鏡検査や注腸造影検査でがんの疑いがある部分を検査。病変やポリープが見つかれば次の検査に進みます。

病理検査

病変やポリープなどの細胞を一部切除して、大腸がんかどうかを検査。がんと診断された場合は確定診断を行ないます。

確定診断

がんのステージの判断を行ないます。

便潜血検査では、2日分の便を採取して血液が含まれていないか調べる2日法を採用している病院が多いです。しかし大腸がんは初期の段階だと自覚症状がないので、例え便潜血検査で陽性が出ても、痔をはじめとした他の病気だと思いこんで精密検査を受けない人も。その結果、放置した大腸がんが進行してしまう場合もあります。

検査で陽性反応が出た場合は必ず精密検査を受けましょう。また、がんかどうかを確実に調べるなら、大腸の中を確認できる大腸内視鏡検査を受けるのがおすすめです。

精密検査はどんなことをするの?

注腸X線造影検査

大腸がんが疑われる場合に最初に受ける検査です。下剤を服用して腸の中を空っぽにして、腸内の状態を分かりやすくします。撮影の際は肛門からバリウムと空気を注入。その後、X線撮影を行ないます。

腹部CT、MRI検査

腹部CTはX線を当てて身体の断面を調べます。MRIは強い磁力を身体に当てて、断面像を観察する検査です。どちらも造影剤を使用して腫瘍を見つけます。

胸部X線検査

放射線(X線)を使用し、バリウムや造影剤を飲んで胸部を撮影する検査です。腫瘍がある場合は白く映ります

超音波内視鏡検査

超音波を身体に当てて、音波が跳ね返る様子を画像にします。画像から身体の様子を観察して、腫瘍の有無を確認。内視鏡の先に超音波装置をつけて臓器やリンパ節を調べる場合もあります

PET検査

FDGと呼ばれるブドウ糖に似た薬剤を注射して、専用の機器でがんの状態を確認します。がん細胞の活動状態やがんの位置を正確に調べることが可能です。

大腸内視鏡検査の体験談

検査自体は意外と楽!

2年連続で便潜血検査に引っかかっていたんですが、自覚症状もないし、お尻からカメラなんてとんでもない(笑)と思って無視してました。でも、会社の先輩が内視鏡で悪性ポリープが見つかったので、自分も検査を受けることに。

自分が検査を受けた病院では、前日の昼・夜は検査食しか食べられず、晩御飯の後には下剤を飲むという方法でした。検査食はおかゆや煮物で、味もいいんですが、量が少ない…。空腹で眠れない…と思っていると、夜中1時ごろに猛烈な腹痛!そこから5回くらいトイレに行くはめに…。

朝の6時に、もう一つの下剤を飲むんですが、粉末状のものを2リットルの水に溶かして、2時間以内に飲みきってくださいという説明書きが。これがマズい!粉っぽさが消えないし、飲んでる途中にも便意便意便意。すでに水しか出ない状態になりました。いや、こんな出すなら絶食の方がマシ…すでに多量の下痢でお尻が痛くなっているのに、ここから内視鏡で、自分のお尻はどうなってしまうんだろうと不安しかありませんでした。

病院に向かう道中でもお腹が痛くなりそうだったので、時間に余裕を持って出発。案の定2回途中下車しました(笑)。病院に着いたときには、すでに疲れ切っていたんですが、本番はこれから!と気持ちを切り替えて検査に挑みました。まずは検査服に着替えて、鎮静剤を飲みながら説明を受けます。15分くらいすると、薬が効いて、お酒を飲んだときみたいに頭が重く、眠くなってきましたが、完全に意識がなくなることはなく、先生の声には反応できる感じ。

入ってくるときは「うっ」ってなりましたが、あとは痛みもなく、意外と楽でした。途中で先生に「ここちょっと痛いですよ」「押します」と言われたときは下腹に力が入ってしまいましたが、15分ほどで終わって拍子抜け。事前準備のほうがよほど大変です。余談ですが、胃腸の中が空っぽになったからなのか、翌朝やけに肌ツヤが良く、「絶食」って効果があるなと思いました(笑)。幸い自分のポリープは良性で経過観察になりましたが、今回のことで、内視鏡にビビってないで、ちゃんと再検査を受けようと思いましたね。(41歳・男性)