~よくわかる大腸がんの基礎知識~

大腸がんのステージと治療を知る
大腸がんのステージと治療を知る » 大腸がんの手術後の生活の質(QOL)を高めるために知っておくべきこと » 大腸がんの再発や無治療について

大腸がんの再発や無治療について

大腸がんが一度完治したのに、再発の宣告を受けるのはとても辛いこと。事実を受け入れられず、治療生活に戻りたくないと無治療を選択する方もいます。ここでは、大腸がんの再発や無治療についてまとめてみました。

参照元:消えない不安や恐れを感じるとき|わたしの療養手帳 [国立がん研究センター がん情報サービス](https://ganjoho.jp/hikkei/saihatsu/chapter9/page02.html)

参照元:がんの統計’16|公益財団法人 がん研究振興財団(https://ganjoho.jp/data/reg_stat/statistics/brochure/2016/cancer_statistics_2016_date_J.pdf)

参照元:がんの再発はどれくらいあるか|株式会社リンフォテック(http://www.lymphotec.co.jp/relapse/years_2/)

余命宣告されたからといって、思いつめないこと

余命宣告された事実を受け入れるのはとても辛いことです。「そんなわけあるはずがない」と、思いたいでしょう。ショックが大き過ぎてどうしたらいいのか、今後どうがんと向き合って生きていけばいいのか、わからなくなることもあるはずです。

しかし、ずっと思い詰めていているだけだと何も解決しません。時間だけが過ぎてしまい、適切な治療の時期を逃して、無治療となってしまう可能性もあります。また、どの治療を受けるべきなのかも、すぐには決められないはず。信頼できる人と、どの治療を選択するのか話し合うことが大切です。話し合うことで心も落ち着き、次に向かう希望も会話の中で見つかるかもしれません。病院の看護師や担当医に相談するのもいいでしょう。今後の見通しが立てやすくなり、不安が和らいでいくという人もいます。ずっと一人で悩み込むのではなく、両親や兄弟、友人、担当医など、自分が信頼できる人と話す時間を設けることが大切です。

たとえ、余命の不安があったとしても、「今日の自分は元気だ。今日の自分を精一杯元気に生きよう。」と考えることで、希望を持って時間を過ごせます。1日1日を大切に生きる意識がより希望に満ち溢れた人生へとつながっていくでしょう。

5年生存率と再発について

5年生存率はがんの発症部位により、数値が異なります。大腸がんのステージ毎の5年生存率は以下となります。

※男女合計

ステージⅣになると5年生存率が20%弱まで急激に落ちてしまいますが、早い段階で治療を行っていると生存率も90%近くと高い傾向にあります。

大腸がんの切除治療を行って5年以内に再発する確率は以下の通りです。

※ステージⅣは記載がありませんでした

こちらも5年生存率同様に、低いステージの段階で早期に治療を行えば、再発率を4%以下に抑えられることがわかります。

自分のかかりつけ医を見つけること

かかりつけ医とはがんに特化した医師ではなく、日常的な診療や健康についての相談などを受けてくれる医師のこと。がんの手術などは主治医が行いますが、かかりつけ医は患者さんの健康状態や過去の病歴などの健康状態を細かく把握してくれています。そのため、健康についての悩み事は何でも相談することができるでしょう。主治医とかかりつけ医は、患者さんの健康情報の交換をしています。そのため、かかりつけ医がいる病院で診察するときも安心です。

がんの再発を受けると今後の人生に不安を抱き、身体や心の状態が悪化してしまう方もいます。そのときは、かかりつけ医に不安な気持ちや今後の過ごし方について相談してみてください。場合によっては薬の処方を検討したり、より専門性の高い相談先を紹介したりなど、力になる存在となるでしょう。

まとめ

大腸がんの再発はとても怖いもの。再発した事実を知ると眠れない日々が続くこともあるでしょう。一人でずっと抱え込んで、時間だけが過ぎてしまうこともあるかと思います。しかし、時間が経ってもがんは改善されません。むしろどんどん進行していきます。「後々再発が発覚して手遅れになるよりも、今気づけたおかげで改善に向けた治療ができる」と考えたほうが一歩踏み出す原動力になる気がしませんか。一人で抱え込まずに、まずは信頼できる人やかかりつけ医と今後どのような方法で治療を進めていくのか相談することが大切です。がんの再発という事実から目を背けずに、立ち向かって活路を見つけていきましょう。