大腸がんの1つ、結腸がんの症状や再発率、特徴について詳しく解説しています。
参照元:藤田 伸、島田安博(2011)『国立がん研究センターのがんの本 大腸がん』小学館クリエイティブ.
参照元:福長洋介(2016)『よくわかる最新医学 大腸がん』主婦の友社.
参照元:国立がん研究センター がん情報サービス 大腸がん(だいちょうがん)
便を作る働きを持つ大腸。盲腸・上行結腸・横行結腸・下行結腸・S状結腸の5つから成る臓器です。結腸がんとは、大腸にできるがんのこと。それぞれ右側・左側に分けることができ、がんができる部位によって自覚症状の感じやすさに違いがあります。
下行結腸・S状結腸は大腸の左側に位置しており、結腸ガンを見つけやすい部位でもあります。左側はがんによって腸内が狭くなると便が通りにくくなり便秘や下痢、細い便などが見られることも。さらに血便を発見しやすいため、便の異常で大腸がんに気づける可能性は高いです。
盲腸・上行結腸・横行結腸は大腸の右側に位置します。右側の結腸がんは自覚症状を感じにくいがんです。水を多く含む流動便を留めている部位なので、初期のがんだと血便や便の通過障害が発生しにくく、気づいた時にはがんが大きくなっていることも。腹部のしこりや腹痛、貧血などの症状が出た時にがん以外の病気を疑って病院を受診した時に大腸がんだと知るケースが多いようです。
大腸がんの再発率はほかのがんと比べて17%と低い傾向にあります。結腸がんの場合は再発率が約14%とさらに低いです。こちらの項目では結腸がんを起因とした部位別のがん再発率について見てみましょう。
肝臓 | 7.0% |
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肺 | 3.5% |
局所(同じ箇所) | 1.8% |
吻合部(臓器を縫い合わせた部分) | 0.3% |
その他 | 3.6% |
全体 | 14.1% |
がん細胞は血液・リンパ・腹膜播種(ふくまくはしゅ)のいずれかで転移します。とくに肝臓や肺は血液に乗ってがん細胞が運ばれやすい部位のため、再発の可能性が高い部位となっているようです。
結腸がんに限らず、大腸にできるがんの特徴として自覚症状がないことが挙げられます。もしも以下の症状がある場合はがんの疑いがあるため早めに病院を受診しましょう。
結腸がんのほかに、クローン病や潰瘍性大腸炎なども似たような症状があらわれます。いずれにしても医師の診断が必要なので、少しでも異常を感じたら病院への受診が大切です。
大腸の粘膜にあるがんを内視鏡治療で取り除きます。この部位は感覚神経がないため、痛みを感じません。がんが大きい場合は手術で腸管を切除することになります。
がんが粘膜よりも深く大腸の壁に入り込んでいる場合に指定されるステージです。内視鏡治療によってがんを取り除きますが、場合によっては腸管・リンパ節の切除が必要な手術をします。
がんが粘膜の外側にある固有筋層に浸潤している場合のステージです。腸管・リンパ節の切除が必要となります。
がんがリンパ節に転移している場合のステージ。腸管・リンパ節の切除後、抗がん剤治療を行ないます。
肝臓や肺、腹膜にがんが転移している場合のステージです。転移したがんが切除可能であれば手術をしますが、不可能な場合は、別の方法での治療となります。