~よくわかる大腸がんの基礎知識~

大腸がんのステージと治療を知る
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大腸がんステージ3

大腸の壁を超えて、周囲にあるリンパ節に転移している状態が、ステージ3とされています。その治療方法や生存率についてまとめました。

参照元:藤田 伸、島田安博(2011)『国立がん研究センターのがんの本 大腸がん』小学館クリエイティブ.
参照元:福長洋介(2016)『よくわかる最新医学 大腸がん』主婦の友社.

そもそも大腸がんステージ3とは

ガン細胞が「リンパ節」に転移している状態です。 リンパ節は、血管と同じように身体全体に巡っている 細い管でウィルスが侵入した際に退治する働きを持っています。 リンパ節にガン細胞が転移すると、他の臓器に転移リスクが高まるため 即座に治療していく必要があります。部位やがんの悪性度次第で、 人工肛門が必要になることもあります。ステージ3に関しては、 再発予防のために抗がん剤治療が行なわれます。 また、他のステージとは異なり、リンパ節へ転移した数によって 「3a」と「3b」の2つの進度に分けられるのが特徴です。

大腸がんステージ3a、3bはどんな状態か

ステージ3はリンパ節にまでがん細胞が転移している状態を指します。他のステージとは違い、リンパ節へ転移した数によって「3a」と「3b」の2つの進度に分けられるのが特徴です。

転移・再発予防のために抗がん剤を投与

ステージ3では、がん細胞の転移がはじまっているため、抗がん剤が積極的に投与されます。抗がん剤を使った化学療法では、吐き気や下痢、めまい、手足のしびれ、貧血など、さまざまな副作用を生じる可能性があります。そのため、抗がん剤に対して抵抗を感じる方も多いようです。

そこで注目したいのが、抗がん剤の副作用を軽減したと報告されている「米ぬか多糖体」。抗がん剤治療におけるQOL(生活の質)を向上させる成分として期待されている成分です。

抗がん剤の副作用を軽減する米ぬか多糖体について知る

また、下記ページでは、抗がん剤治療中のQOL向上に役立つ、免疫細胞を活性化する成分について詳しく紹介されているので、ぜひ参考にしてください

自分でできる免疫力アップ法(外部サイト)

ステージ3a

リンパ節転移が3個以下の場合は3aです。リンパ管やリンパ節ががん細胞で塞がれてしまうので、がんへの免疫が体内にうまく回りません。そのためがんが増えやすく、再発の可能性も高くなります。

そんな大腸がんステージ3aの段階まで進行した人の闘病生活についての体験談を掲載しております。S状結腸の大腸がんと診断されてから術後の仕事復帰した後の心境についてお聞きしました。現実味のない診断結果を受けた本人がどう感じて、周りの人たちがどんな応対をしてくれたのか。ステージ3aの段階の人に限らず、大腸がんと診断された人全員に参考になるはずです。

大腸がんステージ3a・33歳での告知について知る

ステージ3b

リンパ節転移が4個以上の場合は、ステージ3の中でもより進行している3bにあたります。ただし遠隔転移はなく、腫瘍が腫瘍までは届いていない状態です。

ステージ3の中でも深刻な大腸がんステージ3bの段階まで進行した人の闘病生活についてお話を聞きました。治療に関する夫婦の葛藤や再発したときの思いなどを、インタビュー形式でまとめております。支える側と支えられる側のあり方について考えさせられますので、もし、大腸がんステージ3bとの向き合い方に困っていましたら、ご覧になってみてはいかがでしょうか。

大腸がんステージ3b・夫婦で挑んだ再発との闘いについて知る

大腸がんステージ3bも2つに分類される

そもそも大腸がんの病期(ステージ)の分類には、下記3つの方法が用いられています。

上記の内の1つ、「大腸癌取扱い規約(ステージ分類)」が 日本では用いられています。
分類に関しては、以下3つの条件に基づいて決められております。

壁深達度(T)=がんの深さ

(Tis)粘膜内にがんが留まり、粘膜下層に到達していない

(T1a)粘膜下層までに滞留し、がんが体内で広がっていく距離が1000μm未満

(T1b)粘膜下層までに滞留し、がんが体内で広がっていく距離が1000μm以上、
がんが固有筋層まで広がっている

(T2)がんが固有筋層まで広がっている

(T3)固有筋層を越え粘膜の深部まで広がっている状態(※粘膜の深部を有さない箇所は外膜)

(T4a)内膜器官の表面をおおう薄い半透明の膜に露出した状態

(T4b)他の臓器に直接広がっている状態

リンパ節への転移の程度(N)

(N0)リンパ節の転移が認められない

(N1)腸管傍リンパ節と中間リンパ節の 転移の総数が3個以下

(N2)腸管傍リンパ節と中間リンパ節の転移の総数が4個以上

(N3)主リンパ節または側方リンパ節 (下部直腸がんの場合)に転移がある

大腸以外の臓器へや腹膜への遠隔転移(M)

(M0)遠隔転移を認めない

(M1)遠隔転移を認める

「TNM分類」と同様の条件で、ステージが分類されております。 ちなみに、①「デュークス分類」は大腸壁に発生する【A】~遠隔転移の可能性のある【D】に分類されます。 ステージ分類の詳細に関しては、以下になります。

ステージ分類
ステージ(病期) 壁深達度(T) リンパ節転移(N) 遠隔転移(M)
0 (Tis) (N0) (M0)
1

(T1a)(T1b)(T2)

上記どれも可能性がある

(N0) (M0)
2

(T3)

(T4a)

(T4b)

(N0) (M0)
3a

(T1a)(T1b)(T2) (T3)(T4a)(T4b)

上記どれも可能性がある

(N1) (M0)
3b

(T1a)(T1b)(T2) (T3)(T4a)(T4b)

上記どれも可能性がある

(N2)(N3)

(M0)
4

(T1a)(T1b)(T2) (T3)(T4a)(T4b)

上記どれも可能性がある

(N0)(N1) (N2)(N3)

上記どれも可能性がある

(M1)

ステージ3の中でも、より進行している3bは、さらに細かく「N2」と「N3」にわけられます。Nとは「リンパ転移」を意味しており、N2は腸管傍リンパ節と中間リンパ節の転移した数が4個以上ある状態。

N3は主リンパ節にまで転移してしまった状態です。さらに下部直腸がんでは、側方リンパ節にも転移がみられるようになります。このようにがんが原発臓器以外に多数転移している場合、切除できる大きさだったとしても、手術を行わないことがあります。外科手術のもつ危険性を効果が下回り、有益だと判断されないからです。そのような場合にはその時点では手術をせずに、抗がん剤や放射線治療といった方法で治療していきます。

また、検査結果で転移がないと判断して手術をはじめてみても、手術中に転移巣がみつかった場合、何もせずに手術を終了してしまうこともあります。ステージ3bはステージ4に非常に近い段階。手術や治療に関しても慎重に進めていく必要があるのです。

また、それと並行して、がん治療の副作用を抑制したり、免疫力を高めたりする成分を摂取するのも良いでしょう。そういった意味では、近年注目されている「米ぬか多糖体」はおすすめの成分と言えます。下記のページで詳しく解説しているので、興味のある方はぜひチェックしてみてください。

ステージ3の詳しい症状や治療法、生存率は?

ステージ3の詳しい症状や生存率、再発率、治療法について詳しく解説しているページもあります。がん予防や対策のためにも目を通しておいてください。

手術での完全切除が難しいステージ3の大腸がん。ステージ3aと3bの違いや症状をまとめています。

ステージ3の詳しい症状を知る

大腸がんのステージ3の生存率と再発率を調べました。ステージ3治療後に再発した方の体験談もチェック。

ステージ3の生存率と再発率を知る

大腸がんがステージ3に進行した際の治療法とは?結腸がんと直腸がんにおける手術をともなう治療を解説します。

ステージ3の詳しい治療法を知る

大腸がんステージ3を克服した人の体験談

大腸がんだと診断されたときは50代後半、それから5年がたちました。やっと5年という思いと、もう5年かという両方の思いがあります。もちろん今でも食事には気をつけていますし、定期的な検査は欠かせませんが、ここまでこれたという嬉しさでいっぱいです。

きっかけは会社の健康診断

会社の健康診断で便潜血検査を受け、再検査となり内視鏡検査を受けました。それまでも血便が出たことはあったし、血便が大腸がんの症状として出ることがあるというのも知っていましたが、親からがんの家系ではないと言われていたので、「まさか自分が、がんてことはないだろう」と思っていました。

検査は痛みもなくすぐに終わりました。写真を見せられ、「これがあなたの腸の中で、これががんです」と赤い斑点を指さされて宣告されました。思わず「初期ですよね?」と聞いたら、「進行しています。ステージ3bです」と言われ…。妻もいないときに、こんな感じで宣告されるんだ…と正直、現実感がわかずに他のことを考えてしまったりしました。手術も早い方がいいと、約1週間後に設定されました。その日は半休で病院に行って、午後は出社だったのですが、上司になかなか言い出せなかったことを覚えています。

子どもはすでに独立していたので、どう言ったらいいか悩みました。再検査になったことは妻に伝えてあったので、「今日どうだった?」と切り出されたときに、「手術することになったよ」と言いました。私のほうがショックだろうと思ったのか、すごくしっかり振舞ってくれて、子どもにも妻が伝えてくれましたね。

手術は無事終わったものの、辛い抗がん剤治療が続く日々

手術では、上行結腸の下の方を、盲腸も含めて切除しました。術後は「腸閉塞の危険性がありますので、はじめのうちは柔らかいものを食べるようにしてください」と指示されました。あとはステージ3bだったので、術後に半年間は抗がん剤治療(術後補助化学療法)を受けることになりました。

私が使用した抗がん剤は、あまり脱毛が起きないものだったので、かつらが必要になることはなく、良かったです。抗がん剤にもいろんな種類があって、それぞれ副作用が違うということを初めて知りましたね。抗がん剤と言えば、毛が抜けるイメージしかなかったので。

それよりも辛かったのは吐き気、めまい、それにともなう食欲不振でした。冷たい物に触れるとひどく痛むので、何も食べられないような日もありました。2週間ごとに点滴のために通院していたのですが、それ以外の日はずっと家にいました。早く仕事に復帰したいという思いはあったのですが、体も心もついて行きませんでしたね。

協力的だった会社や周囲

すごく恵まれていたのは、会社や周囲が待っていてくれて、サポートしてくれたことですね。部署の異動なども考えましたが、今もがんになる前と同じ部署で働いています。以前と同じ仕事量がこなせるわけじゃありませんので、周りに迷惑をかけることもありますが、それは健康な人が風邪を引いたときにサポートしてもらうのと一緒だと、ある意味開き直ることにしています。もちろん、その分他でカバーできることもしています。仕事をしていると、大変なこともありますが、家で何もしていない時間のほうがよほど辛かったです。何か没頭できるものを見つけた方が、体調が良くなりますね。

ステージ3でも術後半年は抗がん剤治療が必要…しかも寝ることしかできなくなるというのは、今後、普段通りの生活を送るために非常につらいですね。QOL(生活の質)の低下は気持ちの低下にもつながります。ぜひ色々な対策を知って、できることを取り入れてみてください。特に、近年注目されている「米ぬか多糖体」は、がん治療と並行して摂取するのにおすすめの成分。その効果については、下記のページで詳しく紹介しています。