~よくわかる大腸がんの基礎知識~

大腸がんのステージと治療を知る
大腸がんのステージと治療を知る » 大腸がんの代替医療

大腸がんの代替医療

医療機関での手術や投薬、放射線治療ではない治療法のひとつに「代替治療」という方法があります。代替治療とはどのような方法を指すのでしょうか?詳しく調べてまとめました。

代替医療とは

代替医療とは、通常行われている治療法の助けになる可能性のあるもののことです。補完代替療法とも呼ばれ、多くの方が利用していると言われています。がん患者の中で代替治療を利用している方は全体の患者数のおよそ5~7割。半分以上の方が利用しているポピュラーな治療法です。

がんを患った方や、そのご家族が「あらゆる手をつくしたい」と利用することも多いそう。また症状や抗がん剤の副作用の緩和、メンタルケアを目的に利用する方もいます。

代替治療にあたるのは健康食品やサプリメントのほか、アロマセラピー、アーユルベーダ、音楽療法やメンタル療法などさまざま。温泉や鍼灸、漢方など身近にある民間療法や東洋医療も代替治療の一種です。

代替医療の種類

免疫療法

体内にある免疫力を高めてがん細胞を攻撃・排除することができる免疫療法。自分の体内でがんと闘ってくれるNK(ナチュラルキラー)細胞を増殖する治療法なので、患者の身体にかかる負担を軽減することができます。

免疫療法について詳しく知る

健康補助食品

大腸がん治療に効果的な成分を配合しているといわれる健康補助食品(アガリクス、メシマコブ、プロポリス、鮫軟骨、クロレラ、ビタミンなど)。免疫力の向上・がんのつらい症状の緩和・副作用の抑制などに効果的で、がん治療をサポートすることができるといわれています。

健康補助食品について詳しく知る

鍼灸・マッサージ

世界の110ヵ国以上で取り入れられている鍼灸治療。鍼とお灸でツボを刺激する東洋医学であり、血行促進や免疫機能の向上、鎮痛作用などの効果を期待できます。身体の機能を活性化させることで自然治癒力をアップさせ、回復力を高めることができる治療方法です。

鍼灸・マッサージについて詳しく知る

メンタルケア

がん患者が抱えるストレスや不安を軽減できるメンタルケアは、がんと上手く向き合うために重要な治療の1つです。担当の医師や専門のカウンセラーががん患者とその家族に寄り添った、的確なアドバイスをしてくれるでしょう。

メンタルケアについて詳しく知る

その他の代替医療

こんな代替療法には注意!

いくら代替療法で効果があらわれると言っても、すべてが有効性と安全性について証明されているわけではありません。注意が必要な治療法もあります。信じ込んで安易に飛びついてしまうと、あとでトラブルになってしまうことも。以下のような代替療法には十分に注意して慎重に検討し、納得してから取り入れるようにしましょう。

「絶対に治る」というもの

医学にも絶対がないように、代替医療にも「絶対」はありません。人によって、合う治療も違います。「がんの完治」「必ず治ります」などの強い売り言葉を使っているものは、患者や家族の「治したい」という気持ちにつけ込んだものである可能性が高いので、警戒してください。

高価すぎるもの

高価だから、高級な素材を使用しているからと言って高い効き目があるとは限りません。立ち止まってよく考え、もし効果がなかったときのことも考えてから検討するのがいいでしょう。

西洋医学や他の代替治療を否定するもの

医学や他の代替治療を否定して「これだけが絶対だ」と主張する商品にも惑わされないように。がんになった人やその家族の不安だけを煽って購入させるような商品が本当に信頼できるものなのか、自分自身に問いかけてみてください。サービスや売り方で少しでも不快な気分になったのであれば、やめたほうが賢明です。

他の人を紹介することで特典を得られるもの

この場合、知らないうちにねずみ講ビジネスやマルチ商法などを用いて商材を売るために話を持ち掛けられている可能性が高いと考えましょう。巻き込まれないよう注意が必要です。

医学的根拠がないもの

医学的根拠やデータがないのに「がんが完治する」と言い切られるのも要注意。ですが健康食品やサプリメントの多くはすべてに医学的根拠があるわけではなく、根拠のある商品はごくわずかと考えておきましょう。あくまでも治療の助けとなる補助的な役割であることを頭に入れておくことが大切です。

安全に利用することが最優先

がん患者のなかで、代替医療を利用している割合は50%から70%いるといわれています。実際に代替医療によっていい結果を得られた人もいる反面、想定していた効果を得られなかったという人もいます。代替医療はさまざまな情報が飛び交っており、落ち着いて情報を判断することが大切です。ただ、どうしても主観になってしまうことが多いため、主治医に相談するのがいいでしょう。場合によっては、治療との相性が合わない可能性もあるからです。治療を阻害しない代替医療であれば、代替医療を認められることが多いです。

医学的根拠のある代替医療はあるのか?

当サイトで根拠のある代替医療はないか探してみたところ、130回の学術発表と約60の論文データで実証された成分がありました。それは「米ぬか多糖体(RBS)」という日本生まれの成分。すでに世界50か国以上で商品化されていて、アメリカではFDA(「アメリカ食品医薬品局)の厳しい審査をクリアし「免疫に効果がある」と標記して販売することが許可され、多くの方に飲まれています。

この「米ぬか多糖体」は本当に信頼できる成分なのか詳しく調べてみました。

注目の成分「米ぬか多糖体」の大腸がんへの効果について詳しく知る

「代替医療が危険」て本当?

「大腸がん 代替医療」で検索すると、「代替医療、リスク2.5倍…標準治療と比較」「がんの代替治療は、5年以内の死亡率が標準治療の『最大5.7倍』だった」というような記事がヒットします。

これは、アメリカのイェール大学医学大学院のスカイラー・ジョンソン博士の研究による記事を元にしたものです。この研究では、2004年から2013年の間にアメリカで罹患者数が多かった4種のがん(乳がん、肺がん、大腸がん、前立腺がん)患者について、標準治療の代わりに代替医療を選んだ患者の5年以内の死亡数が、標準治療を選んだ患者の2.5倍にも及んだというのです。

日本でも、切れるがんを代替医療でどうにかしようとすることは、けして推奨されないでしょう。そういった意味では、使いようによっては「危険」と言われることもあるかもしれません。

体験談や口コミを見ても、「標準治療に加えて、少しでも何かしたい」「気分転換も兼ねて」「もう手の施しようがなく…」といったような気持ちで代替医療を活用している人が多いようです。ぜひ各代替医療のページを見て、参考にしてください。

参照元:ARS TECHNICA(英語記事)
日本語訳記事:WIRED https://wired.jp/2017/08/31/alternative-medicines-toll-on-cancer-patients-death-rate-up-to-5x-higher/