大腸がんがステージ3にまで進行すると、リンパ節への転移が認められます。ここでは大腸がんステージ3の生存率について詳しくまとめました。ステージ3aと3bで分けて解説しているので参考にしてください。
大腸がんのステージ3はa期とb期に分かれています。ステージ3a期は隣接するリンパ節に転移がある、リンパ節への転移が2個以下の病期。ステージ3b期は離れたリンパ節へも転移がみられる、リンパ節への転移が4個以上の場合です。それぞれで5年生存率が変わってきます。
それぞれの5年生存率は以下の通りです。
5年生存率 | 71% |
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進行度合 | ・隣接するリンパ節に転移がある ・転移が2個以下 |
5年生存率 | 56% |
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進行度合 | ・離れたリンパ節にも転移がある ・転移が4個以上 |
参照元:藤田 伸、島田安博(2011)『国立がん研究センターのがんの本 大腸がん』小学館クリエイティブ.
リンパ節への転移が隣接している、転移が2個以下の3a期の生存率が71%なのに比べて3b期は56%と、およそ半数の方が亡くなってしまうという結果になりました。がんが大腸の粘膜や粘膜下層の浅い部分にとどまっている早期がんに対し、ステージ3のがんは大腸壁の深い部分にまで進行が及んでしまっていることが多く、転移も認められるステージ。
手術で完全に取り除いたように見えても、深いところにがんが進行しており、完全にはがん細胞を切除できません。そこから再発したりがんが大きくなったりして他の器官に転移してしまうのです。
大腸がんが転移する臓器で最も多いのは肝臓です。大腸から流れた血液が肝臓に流れるためで、血液にがん細胞が混ざり肝臓に到達することで転移します。がん細胞が大腸の壁の中にある毛細血管に入ると、血液の流れに乗って体のさまざまな部位に移動。
そこにがんが転移して大きくなってしまう「血行性転移」は、大腸がんの中でもよく見られる転移のひとつです。次に多いのが肺。そのほか血液の流れに乗って、脳や骨に転移する場合もあります。
がんの転移や再発はほとんど自覚症状がなく、多くの場合、手術後や治療後の定期検査によって見つかります。ステージ3のがん切除の再発率は約30%と3人に1人が再発してしまう可能性が。転移・再発後のがんも進行度が低いほど再発は低くなるので、検査と早期発見が非常に重要です。
参照元:高橋慶一(2010)『大腸がん 手術後の生活読本』主婦と生活社.
辻さん(男性・仮名)
やっぱり3年、育つのにだいたい5年くらいかかりますから、えー、3年前に受けとけば、たぶんステージはもう少し、えー、2くらいだったと思いますんでね、うん。
あのー、進行度でいっても、ま、脈管侵襲はなかったり、リンパ節も1個、2個ぐらいで済んだっていうことになれば、えー、まあ、2のクラスでおさまれば、えー、再発率としては、逆に言うと、えー、5年生存率が、逆の70パーセントくらいは、まあ5年生存率上がりますからね。
今は逆の30パーセントに入ってますんで(※)、えー、5年以上生きるっていうのは、たぶん…、あんまり…、今時点ではあの、ま、だめだろうなと思ってはいるんですよ、うん。
…3bで、まあ僕の知り合いとかはそういう症例も見てますけど、3bで同じ時期にオペして、5人オペしてますけど、えー、3人死んでますんでね、1年半のうちにね、うん。
うん。
まあ、でも、がんが再発するのは、だいたい抗がん剤治療をして、えー、まあ、ある程度、1クールやって少し期間を置きますから、1年から、えー、1年半、ま、1年から2年の間に、えー、再発するときはまあ、しちゃいますんで、えー、ちょうど今その辺、時期なんで、どうかなとは思ってはいるんですけどね、うん。
なかなか、あの…、微妙ですけどね、うん。
ただ、そうやってこう、どっかでこう、ま、けじめというかそこんとこをつけとかないと、なかなか、あのー、平穏にというか、普通の状態で仕事はできないんで、うん。
ま、幸い仕事が忙しいんで、そっちで、まあ少し紛らわせてるっていうところもありますけどね、うん。
で、やっぱり3年前受けときゃ、たぶん早期がんで済んでるんで、えー、もうちょっと展開が、まあ長く生きるのがいいか悪いかまた別なんですけどね、うん。
引用元:ステージⅢbの診断を受けたが、3年前に受けていればステージIIくらいで見つけられ、5年生存率も上がっただろうと思う(音声のみ) - 大腸がん検診の語り
たまさん(男性)
入院後、手術まではだいぶ時間が開きました 大腸がんからの出血が多くてヘモグロビン濃度が足りなかったためです二週間ほど鉄剤をうってから手術に挑みました
手術前日妻からは「今までありがとう」という様なメールがきました
しかし無事に手術は成功
…手術後、先生に呼ばれ「かなり進行している。
全身に癌細胞が回ってしまっている可能性が高い。
ステージ3Bで五年生存率は約6割」と言われました
私は足が震え、途中から夢の中にいるような気分になりました
引用元:手術 | 26才の大腸がん闘病記
森島俊二さん(男性)
森島さんは10月から会社に復帰し、会社の復帰プログラムについて説明された。
それによると、最初の2カ月間、時短勤務はあるもののフレックスタイム制度を使えない。
補助化学療法が始まっていたため、その日の体調に波がある森島さんにとっては時短で嬉しいと言うよりむしろフレックスを使えないことがつらかった。
抗がん剤「UFT」の副作用で、だるさと倦怠感を感じていた。
インターネットで調べると森島さんの大腸がんと進行ステージ3aの5年生存率があった。
それによると完治が7割、残りの3割は再発、或いは転移とある。
そのことを自分に置き換えて考え「俺の場合、半々かな...」そんな気がした。
静かな気持ちで無機質の数字をながめた。
自分の場合がんと闘うという感覚ではない。
気をつけよう...、そう思って数字をながめた。
espoir330さん(男性)
6月の、内視鏡的粘膜下層はく離術(ESD)を受けた後の、転移可能性についての宣告。
その摘出手術で完了と思っていたときに降りかかった事実。
"リンパ節への転移が15%の可能性で見られる"
それを先生から知らされ、そしてあのときの決断が、本当に幸運だったということになりました。
でも冷静に考えて、当初"15%の転移可能性"が、実際はクロだったわけです。
つまり数字が低いからといっても、それはゼロではないわけです。
その違いは天地の差です。
低いというだけで、そうならない、大丈夫という保証はどこにもないのです。
そういうとても怖い事実を、身を持って知ってしまった今回の直腸ガン摘出手術だったわけです。
なお、病期としてはリンパ節転移があるので、「ステージIII」、「デュークス C」に相当すると思われます。
一般的にはこの病期になると再発予防のための化学療法(抗がん剤治療)が勧められるらしいのですが、私の場合、特に何も言われませんでした。
なお、この病期の場合の5年生存率は、一般的には70~80%(入院した病院では85.9%)。
これが高いと見るか、低いと見るか。
引用元:35歳の直腸ガン闘病日記
sunandmoonさん(女性)
11月初めには再度S国際病院へ。
遺伝センターと腫瘍内科を受診。
その時すでにマーカーCA19-9が51とか上がり気味だったので
マーカーに関しても気にして質問したのだが、
「再発を早期に発見しても、その後の治療が早まって辛い期間が長くなるだけで、
遅く発見したとしても基本的には最終的な死亡時期は変わらない」
「だから、妊娠中にマーカーが上がり続けたとして再発がわかっても
慌てて治療しなくてもいい」みたいなことを言われ、これには驚いた。
え?でも大腸癌の場合は、肝臓とか、また手術して完治する場合もけっこうありますよね?
と私が質問したら
「まぁ大腸癌の場合はそういうこともありますけどね」
と言うので、いや、私は大腸癌ですけど!!!と思ったけど、もう言うのをやめた。
いくらなんでも標準的なことしか言えない立場だとしても、これはちょっと・・・???
でもこの「再発を早期に発見しても、その後の治療が早まって辛い期間が長くなるだけで、
基本的に死亡時期は変わらない」
という発言は、地元の腫瘍内科の元々癌研で勤務していた先生にも
同じことを言われた。
言われた時は、妊婦だしマーカーが上昇してるし、ただでさえ精神的にまいっている時に、
死亡時期、とかあまりにも淡々と言われて、その言葉にショックを受けたが、
あまりにも普通にその言葉を言われてしまったのと、瞬間的なショックで心に蓋をしたような感じになり、
顔色を変えられずに、ただ「はぁ、そうですか。
」と言うのが精一杯だった。
そんな言葉を使わなくてもいいのになぁと、家に帰ってからも何度も思った。