
こちらのページでは大腸がんの中でも代表的な盲腸がん・虫垂がんの特徴や症状について解説します。
参照元:藤田 伸、島田安博(2011)『国立がん研究センターのがんの本 大腸がん』小学館クリエイティブ.
参照元:オリンパス おなかの健康ドットコム 大腸がん(直腸がん・結腸がん)の解説と症状
盲腸がんを発症するのは非常にまれだと言われています。さらに、発見されたときには、ほかの臓器に転移している可能性も高いがんです。転移した場所と盲腸を切除できれば治る見込みが高いがんですが、場所によっては手術が難しく、抗がん剤治療や放射線療法を行なう場合も。これらの治療でのがん完治は難しく、進行を抑制して、これからの人生をより良くするために焦点を当てた治療法といえます。
盲腸がんの初期には自覚症状がありません。進行すると腹部にしこりを感じますが、ほかにもお腹全体の痛み、食欲不振、体重減少、貧血を引き起こします。これらの症状が出てから受診した場合、がんが盲腸以外にも転移している可能性も。少しでも気になる症状があれば病院を受診しましょう。また、日頃から腸内環境を整える生活も大切です。
大腸がんの中でも虫垂がんにかかる確率は1%以下と低く非常に珍しいです。50~60代の人にできやすく、初期症状がなく、大腸内視鏡検査を受けても発見されないこともあります。
虫垂がんの種類には2つのパターンがあり、リンパ節や血液を通って肺や肝臓に転移しやすい腺がんタイプと袋状の嚢胞(のうほう)ができる粘液嚢胞腺がんタイプがあります。粘液嚢胞腺がんタイプは嚢胞が破けるとがん細胞をお腹にまき散らすこともあり、これによってがんが広がったり転移したりする原因に。
虫垂がんは初期症状がまったくありません。進行すると右下腹部の違和感や痛み、しこりができることもあります。症状が虫垂炎と似ているため、実際に手術を受けて初めてがんと分かるケースもあるほど診断が難しいがんです。日頃から身体の体調管理に気を付けて、盲腸がんと同じように何か変化を感じた場合はすぐに病院を受診するようにしましょう。
大腸の粘膜にがんが留まっている状態です。内視鏡でがん部分の切除をします。
がんが固有筋層まで広がっている場合に指定されるステージです。内視鏡治療か外科手術によってがんを切除します。
がんが粘膜の外側にある固有筋層に広がっている場合のステージです。進行度によっては腸管とともにリンパ節を切除することもあります。
リンパ節にがんの転移があった場合のステージです。腸管・リンパ節の切除をして抗がん剤治療を受けていきます。
ほかの臓器にがんの転移が見られる場合のステージです。手術が難しい場合は、抗がん剤治療や放射線治療などで治療を進めます。