デザートとして、サラダの具材として、トーストの具材としてなど、様々な用途で広く活用されている果実、アボカド。脂肪分の多い植物として知られ、身体のエネルギー源にもなることから、古くから人類の食卓で利用されてきました。美味しいだけではなく、多彩かつ豊富な栄養素が含まれていることもアボカドの特徴。含有される成分の中には、大腸がんに効果的とされて研究されているものもあります。
アボカドとは、クスノキ科ワニナシ属に属する果樹。原産はメキシコや中央アメリカですが、現在では、世界各国の暖かいエリアを中心に広く栽培されています。比較的栽培が簡単な樹木なので、日本でも育てることが可能です。
アボカドが食用として人類に登場した時期は、現在のところ、定かではありません。西暦900年頃とされるペルーのチャン・チャン遺跡からは、アボカドをかたどった土器が出土しているため、少なくともその時期には、アボカドが人類の食卓に定着していたと考えられます。 栽培が始まった時期もまた、定かではありません。遅くとも13~15世紀頃の中南米においては、栽培されていたことが分かっています。
アボカドは栄養の宝庫と呼ばれています。実に多彩な栄養素を含んだアボカドですが、その代表的な成分としては、以下の5つのものが挙げられるでしょう。
オレイン酸とは、オリーブオイルの主成分として知られる脂肪酸。悪玉と善玉のコレステロールのバランスを整える作用などで知られています。
グルタチオンには、体内の活性酸素を除去する働き、いわゆる抗酸化作用があると言われています。各種の病気予防効果やアンチエイジング効果が期待できます。
カリウムが多いとされるバナナやメロンに対し、アボカドは、その約2倍のカリウム含有量。血圧を下げるなどの作用が知られています。
ゴボウ1本に匹敵するとも言われるほどの水溶性食物繊維を含んでいます。便秘解消効果や美容効果、ダイエット効果などが期待できます。
高い抗酸化作用と血行促進作用で知られる成分。病気の予防効果、美容効果などが期待できます。
アボカドには「脂肪族アセトゲニン」と呼ばれる成分が含まれています。昨今、この「脂肪族アセトゲニン」に関して、がん予防作用や抗がん作用の研究がいくつか報告されています。 研究によると、「脂肪族アセトゲニン」には、がん細胞を活性化させるEGFRなどの伝達系統を阻害する働きがあるとのこと。加えて「脂肪族アセトゲニン」が持つ抗炎症作用も、がんの予防などに役立つとされています。
今後の更なる研究が待たれます。
皮を剥いてそのまま食べても美味しいアボカドですが、できれば、もう一工夫してみたいものです。 定番の食べ方は、サラダの具材として。手軽に作れるので、ぜひ試してみてください。ゆで卵との相性も抜群です。 他にも、トーストに乗せる具材として、また、グラタンの具材として利用しても絶品です。まだ試したことのない方には、ぜひお勧めです。