~よくわかる大腸がんの基礎知識~

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玉ねぎのポリフェノールが大腸がんを抑制する?

家庭の常備野菜の定番と言えば、どんな家庭でも、筆頭は玉ねぎでしょう。保存性の高さ、料理における汎用性の広さ、加熱したときの特有の甘み、様々な健康効果など、玉ねぎは多くの特徴を持つ優秀な野菜です。ところで、玉ねぎの健康効果と言えば「血液サラサラ効果」が有名ですが、昨今、玉ねぎに含まれるケルセチンという成分に、大腸がんを抑制する働きがあるとされて話題です。玉ねぎと大腸がん抑制との関係について、詳しくまとめました。

玉ねぎとは

玉ねぎとは、ネギ属の多年草。球根部分は食用として世界中で利用されています。特有の辛みや風味、また、熱した時の甘みなどが特徴です。 玉ねぎの原産は中央アジアとされていますが、野生種は発見されていません。すでに紀元前には、エジプト王朝で日常的に食されていたとされるため、かなり古くから人類の食卓に存在していたことは確実です。
日本に玉ねぎが伝来した時期は、江戸時代。当初は観賞用の植物でしたが、明治期に入ってからは食用として利用されるようになりました。 玉ねぎには、様々な栄養成分が豊富に含まれています。それら成分の中に、昨今、大腸がんの抑制効果を持つものがあるとして話題になりました。

玉ねぎに含有される代表的な成分

玉ねぎに栄養が豊富に含まれていることは、すでに周知の通り。中でも特に多く含まれる成分と、それぞれの効果について簡単に見てみましょう。

ケルセチンが大腸がんのアポトーシスを促す?

上で紹介したケルセチン。カナダ・ゲルフ大学の研究グループは、ケルセチンに大腸がんのアポトーシスを促す働きがあると発表しました。ケルセチンとは、ポリフェノールの一種。数あるポリフェノールの中でも、特に強い抗酸化作用を持つことで知られている成分です。
研究グループは、人間の大腸がんの細胞を培養した容器の中に、5種類の玉ねぎから抽出したケルセチンをそれぞれ投入。いずれの容器でも、がん細胞のアポトーシス(自死)を誘導していることを確認した。中でも特に、色の濃い玉ねぎ(赤玉ねぎ)の誘導作用が強かったと言います。 ケルセチンがアポトーシスを誘導したメカニズムについて、研究グループは「不明」としています。また、大腸がんだけではなく、乳がんへの作用の可能性もあると報告しています。

[※1]

玉ねぎを使った簡単お勧めレシピ

玉ねぎは、様々な料理のベースとして広く使われています。カレーライスのベースとし、チャーハンのベースとして、等々。これら普通の利用法を続けながら、また別の玉ねぎの利用法も考えてみましょう。以下、玉ねぎのお勧め料理です。

参考文献

[※1] 西村和彦,松本理沙,中川博史『ケルセチンがHepG2細胞のエリスロポエチン産生とアポトーシス誘導に及ぼす影響』